2024年アメリカ大統領選挙、世界の命運を握る注目州をライブカメラで追う
アメリカ大統領選挙は、世界情勢に多大な影響を与える重要な政治イベントです。特に、ロシア・ウクライナ情勢、ガザ・イスラエル紛争、中台対立、南北朝鮮対立という4つの主要な国際問題の行方が、新大統領の政策によって大きく左右されることが予想されます。
トランプ氏とハリス氏、それぞれの政策がこれらの問題にどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。
アメリカ大統領選挙は、国民の直接投票ではなく、各州に割り当てられた「選挙人」の獲得数を競う独特な仕組みです。そして、その勝敗を分けるのは、常に激戦となる「接戦州」の存在です。
そして、その勝敗を分けるのは、常に激戦となる「接戦州」の存在です。 この接戦州は主にアリゾナ州、ジョージア州、ミシガン州、ネバダ州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州であり、これらの接戦州で選ばれる選挙人は合計93人です。世界人口80億人の未来が、これらの州で選ばれる93人の選挙人に託されるということになります。
本記事では、世界の未来を決定づける注目州のライブ映像を通じて、この歴史的な選挙の行方を見守ります。刻々と変化する情勢をリアルタイムでお伝えしていきますので、ぜひご注目ください。
【ライブ映像】アメリカの政治の中心、ワシントンD.C.の街並み
Axis Communications Experience Centerから、時間の経過とともに変化するカメラアングルで、ワシントンD.C.の全景がライブ配信されています。
世界の命運を握るラストベルトの有権者
アメリカ大統領選挙において、ラストベルトと呼ばれる地域は、その選挙結果を左右するスイングステートとして非常に重要な役割を担っています。ラストベルトは、かつて鉄鋼業などの重工業が栄え、多くの白人労働者を雇用していた五大湖周辺から東部大西洋岸の一帯を指します。2016年の大統領選挙では、ドナルド・トランプ氏がこのラストベルトで圧倒的な支持を集め、勝利の原動力となりました。その背景には、グローバリゼーションによる産業構造の変化や国際競争の激化により、ラストベルトの製造業が衰退し、多くの白人労働者が失業や賃金低下などの苦境に立たされていたことがあります。彼らは、従来の政治エリートが自分たちの苦境を無視し、少数派への配慮ばかりを優先してきたことに強い不満を抱いていました。そこに登場したのが、ビジネス界出身で「アメリカ第一主義」を掲げ、製造業の復活と雇用創出を約束するトランプ氏でした。トランプ氏は、彼らの不安や不満を巧みに利用し、白人労働者層の熱狂的な支持を集めることに成功しました。結果として、ラストベルトの多くの州で民主党から共和党へ支持が大きく揺れ動く「赤い壁の崩壊」現象が起き、選挙結果に決定的な影響を与えたのです。しかし、2020年の大統領選挙では、バイデン氏が一部のラストベルト州を奪還しました。これは、トランプ政権の経済政策に失望した層や、トランプ氏の政治姿勢に反発する層が増加したためと分析されています。このように、ラストベルトは選挙の度に民主党と共和党の間で激しい争奪戦が繰り広げられるスイングステートとなっています。そして、その勝敗は、大統領選挙の結果を大きく左右する重要な要素となっているのです。
◆ラストベルトのスイングステート3州の獲得選挙人数
ペンシルベニア州(19名)伝統的に民主党が強い。過去5回中4回民主党勝利。
ミシガン州(15名)伝統的に民主党が強い。過去5回中4回民主党勝利。
ウィスコンシン州(10名)伝統的に民主党が強い。過去5回中4回民主党勝利。
【ライブ映像】ペンシルベニア州フィラデルフィアの街角
フィラデルフィアは、「独立発祥の地」として由緒ある建造物が立ち並ぶ一方で、残念ながら全米的に見ても犯罪率が高い都市として知られています。このような不満が背景となり、民主党が強いとされていたペンシルベニア州で、2016年の大統領選挙において共和党のトランプ候補が勝利することにつながりました。
【ライブ映像】ミシガン州デトロイト市の街角
デトロイト市の喧騒に満ちた街角。至近距離から都市の鼓動を感じられる場所です。目の前では、多様な人々が忙しなく行き交い、それぞれの物語を胸に秘めながら歩を進めています。時折、重厚な音を立てて列車が通過し、その迫力ある姿が視界いっぱいに広がります。
【ライブ映像】ウィスコンシン州ミルウォーキーの街角
ミルウォーキーの中心地ダウンタウンにある屋内競技施設ファイサーブ・フォーラムとその周辺。
もうひとつのスイングステートの存在
南部の「サンベルト」や「バイブルベルト」と呼ばれる地域も、民主党と共和党の支持が拮抗し、選挙の度に勝敗が予測できない「スイングステート」が存在します。
これらの地域では、キリスト教保守派の影響力が強く、伝統的な価値観を重視する傾向があります。一方、近年の人口動態の変化に伴い、ヒスパニック系住民など、民主党支持層の増加も見られます。
このように、異なる価値観やバックグラウンドを持つ人々が混在しているため、選挙結果は毎回僅差となり、どちらの政党が勝利するかは予測が困難です。
◆サンベルト/バイブルベルトのスイングステート4州の獲得選挙人数
ノースカロライナ州(16名)伝統的に共和党が強い。過去5回中4回共和党勝利。
ジョージア州(16名)伝統的に共和党が強い。過去5回中4回共和党勝利。
アリゾナ州(11名)伝統的に共和党が強い。過去5回中4回共和党勝利。
ネバダ州(6名)伝統的に民主党が強い。過去5回中4回民主党勝利。
【ライブ映像】ノースカロライナ州スミスフィールドの街角
Town Hallの正面に掲げられた星条旗が、そよ風に優雅にはためいています。その威厳ある建物の前では、忙しそうに行き交う車や歩行者の姿が見られます。
【ライブ映像】ジョージア州アトランタのヒンズー教の寺院
アメリカでは珍しいヒンドゥー教の寺院の一つ、「聖スワミナラヤン寺院」を眺めることができます。カマラ・ハリス副大統領は、ジャマイカ系アフリカ人の父親とインド人の母親を持ちます。彼女のようにインド系ルーツを持つ人物が、アメリカ大統領の座を争う日が来るとは、一昔前には想像もつかなかったかもしれません。
【ライブ映像】アリゾナ州カサ・グランデの街角
アリゾナ州カサグランデの中心部、コットンウッドレーンとトレケルロードの交差点に設置されたこのカメラは、活気あふれる街並みを映し出します。コットンウッドレーンは、ホテル、レストラン、個性的なショップなどが軒を連ねる、街のメインストリートです。
【ライブ映像】ネバダ州ラスベガス フリーモント ストリート
全長約450メートルのアーケード街で、ラスベガスの発祥の地とされるフリーモント ストリート。「グリッター・ガルチ(輝く峡谷)」という愛称で呼ばれる24時間歩行者天国となっており、カジノや飲食店、雑貨屋などが並びます。
ネバダ州ラスベガス フリーモント ストリート ⇒ ライブ映像
民主党の現在の情勢
ジョー・バイデン大統領は、2024年の大統領選挙に出馬しないことを表明し、後継者としてカマラ・ハリス副大統領を指名しました。バイデン氏はハリス氏を「素晴らしい大統領になれる」と高く評価し、自身の政策を引き継ぐことを期待しています。
ハリス氏は、副大統領候補としてミネソタ州知事のティム・ワルツ氏を選びました。元高校教師という庶民的な経歴を持つワルツ氏の起用は、ラストベルト(さび付いた工業地帯)の白人労働者層へのアピールを狙ったものと見られています。
元々、民主党はカリフォルニアやニューヨークといった沿岸部の州や都市部を支持基盤としており、インテリ層、若者、黒人、女性など、多様な支持層を抱えています。2016年の大統領選挙では、本来民主党の地盤であったラストベルトと呼ばれているペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州が共和党のトランプ前大統領に敗れました。
8月19日、イリノイ州シカゴで開催された民主党大会で、ハリス氏は正式に大統領候補に指名されました。今後は、バイデン政権の成果を強調しつつ、若者や多様性を重視する層への支持を広げられるかが焦点となります。
◆民主党の支持基盤の獲得選挙人数:上位3州
カリフォルニア州(54名)ニューヨーク州(28名)イリノイ州(19名)
【ライブ映像】カリフォルニア州ロサンゼルスのベニスビーチ
カリフォルニアの象徴ともいえるベニスビーチの個性的なショップやストリートパフォーマンス、そしてそこに集う人々の活気を、ライブカメラを通してリアルタイムに体感できます。
【ライブ映像】ニューヨーク州ニューヨークのタイムズスクエア
タイムズスクエアは、ニューヨーク市マンハッタンの中心に位置する、世界で最も有名な交差点の一つです。ここは「世界の交差点」とも呼ばれ、昼夜を問わず多くの観光客や地元の人々で賑わっています。
【ライブ映像】イリノイ州イリノイ大学アーバナシャンペーン校のキャンパス
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は、アメリカ中西部に位置する名門州立大学であり、「パブリック・アイビー」の一校としても知られています。4万人以上の学生が日々学び、活気あふれる様子をライブカメラで覗くことができます。
共和党の現在の情勢
2024年アメリカ大統領選挙に向けて、共和党はトランプ氏を候補に、再び「アメリカ第一主義」を掲げて選挙戦に挑みます。
共和党の支持基盤は、中西部のラストベルトと呼ばれる地域や、保守的な福音派の層に強く、伝統的な価値観や国内産業の保護を重視する層からの支持が厚いです。
しかし、トランプ氏は、従来の支持層に加え、無党派層への浸透も狙っています。最近の政策綱領では、移民対策の強化や関税導入といった保護主義的な政策に加え、仮想通貨やAI開発への規制緩和など、幅広い層へのアピールを意識した内容となっています。
注目すべきは、最近の銃撃事件の影響です。選挙演説中に銃撃されたトランプ氏ですが、事件後もひるむことなく公の場に姿を現し、「暴力に屈しない強いリーダー」としてのイメージを強調しています。
副大統領候補には、若手注目株のJ.D.バンス上院議員を指名しました。バンス氏は、かつてはトランプ氏を批判していたものの、現在は熱心な支持者となり、「アメリカ第一主義」を強く支持しています。彼の起用は、若年層や、より急進的な政策を求める層へのアピールと言えるでしょう。
今後の選挙戦では、トランプ氏は「強いアメリカ」の実現を訴え、国内製造業の復活や労働者保護などを強調していくとみられます。その一方で、銃撃事件を機に、国民の分断を深める可能性も懸念されています。共和党が、無党派層を取り込み、幅広い支持を獲得できるかどうかが、選挙の行方を左右する鍵となりそうです。
◆共和党の支持基盤の獲得選挙人数:上位3州
テキサス州(38名) フロリダ州(30名) オハイオ州(17名)
【ライブ映像】テキサス州カイル市の街角
カイル市は、かつて綿花栽培で栄えた歴史を持ちますが、近年ではオースティン都市圏の拡大に伴い急速な発展を遂げています。街頭に掲げられた星条旗や、行き交う車、歩行者の様子をライブカメラを通して臨場感豊かに観察することができます。
【ライブ映像】オハイオ州アセンズ市のオハイオ大学のキャンパス
オハイオ大学のキャンパス内を散策する人々などを映し出しています。
【ライブ映像】フロリダ州キーウェストのスロッピー・ジョーズ・バー
スロッピー・ジョーズ・バー(Sloppy Joe’s Bar)は、米国フロリダ州キーウェストにある歴史的な名所です。この店は、かつてこの町に住んでいた作家アーネスト・ヘミングウェイの常連店として有名です。現在、店舗前の様子がライブカメラで中継されており、訪れる客の活気あふれる雰囲気をリアルタイムで感じることができます。